グーグル、新AI技術「ジェミ二-Gemini」を発表。チャットGPT越えへ

2023年12月6日、米国のテクノロジー大手グーグルは、新しい生成AI技術「Gemini（ジェミニ）」を導入すると公表した。この技術は、文章、画像、音声など多様なデータを活用し、理解力と回答能力を強化している。

ジェミニは、多様なバージョンでの提供

ジェミニにはいくつかのバリエーションがあり、その中でも「ウルトラ」は特に注目されている。ウルトラは、従来の対話型AI技術である「GPT-4」よりも優れた性能を持つとされ、幅広い分野での応用が期待されている。また、ビジネス向けの「プロ」と、モバイルデバイスに最適化された「ナノ」というバージョンも提供される。プロはグーグルの対話型AI「バード」に組み込まれ、既に170以上の国と地域で無料で利用可能である。ナノは、グーグルの最新スマートフォン「ピクセル8プロ」向けに特化されており、録音の要約などに使用される予定だ。

GPT-4を上回る「ウルトラ」の性能

ウルトラは32の技術指標のうち30で、GPT-4を上回る性能を示している。これには動画、静止画、音声の処理も含まれるマルチモーダル機能が含まれる。グーグルは、この新技術により、検索エンジンやビジネス用ソフトウェア、さらには開発者やクラウド事業の顧客企業に対するサービスの拡充を目指している。

ピチャイCEOの強い意気込み

グーグルのピチャイCEOは、ジェミニについて「これは我々の科学と技術力の集大成であり、新時代を象徴するもの」と述べ、大きな自信を見せている。

ジェミニの登場による影響【解説インサイト】

AI技術競争の新局面

ジェミニの発表は、AI業界における技術競争の新たな段階を示しています。特に、ウルトラバージョンのGPT-4を上回る性能は、AI技術の進化と応用範囲の広がりを物語っています。グーグルが示した多様なバージョン展開は、異なるニーズと使用環境に対応しようとする戦略の一環と見ることができます。

ビジネスと消費者への影響

ジェミニが検索エンジンやビジネス用ソフトウェアに組み込まれることにより、企業の業務効率化や意思決定の精度向上が期待されます。また、消費者向け製品、特にスマートフォンなどのモバイルデバイスへの適用は、日常生活の中でのAIの役割を一層強化することになるでしょう。

テクノロジーと倫理の課題

高度なAI技術の進展は、データプライバシーや倫理的な問題を含む新たな課題を生じさせます。ジェミニのような技術が普及するにつれ、これらの問題に対する社会的な議論や規制の必要性が高まると考えられます。

2023.12.6

AI大百科編集部